著名人対談

【Akira Sunset/片桐周太郎】作曲家になるには?楽曲コンペに勝つ秘訣は?徹底対談!

更新日:

こんにちは。MusicViral代表で作曲家の片桐周太郎です。

今回は、作詞作曲家『Akira Sunset(アキラ サンセット)さん』へのインタビューの模様をご紹介します。

Akira Sunset(アキラ サンセット)さんは『気づいたら片想い』や『今、話したい誰かがいる』など数多くの乃木坂46楽曲を手掛けてる作曲家。

現在、株式会社HOVERBOADの代表取締役としても活動しています。

今回のインタビューでは、「コライトの良さ、メロディーと歌詞の大切さ」等、作曲家を目指す方なら絶対に知りたい情報をメインにお話をご紹介しちゃいます!

Pops作家デビューカリキュラム始動!

「AKB作家が教える。一年間で有名作曲家事務所を目指すスパルタ予備校」

“既存曲を聴くだけ”で作曲が上達する「MusicViral独自の分析術」を伝授。

AKB48や欅坂46、乃木坂46を手がける片桐周太郎の完全ワンツーマンレッスン。

一年間で、有名作家事務所の所属を目指す事に特化したカリキュラムです。

まずはAkira Sunsetさんのプロフィールをご紹介!

Akira Sunset(アキラ サンセット)自身のユニットSafariiとして2007年Hawaiiでデビュー。

そして2008年Sony Music Recordsからメジャーデビュー。
3rd single「この恋にさよなら」がスマッシュヒット。
YouTube再生回数は現在900万回を突破。

また、2012年後半からは「波乗り作詞作曲家」と釘打ち、他アーティストへの作詞や楽曲提供といった活動を始める。

乃木坂46への提供楽曲で、自身が作曲した『気づいたら片想い』や作編曲した『今、話したい誰かがいる』『ハルジオンが咲く頃』が、それぞれ年間オリコントップ10入りを果たし、大ヒットとなる。

乃木坂46には2ndシングル収録曲から数多くの楽曲を提供しており、これまで12シングルに参加し16曲を手がけ、グループ史上最多の作曲数を誇る。

2016年、NMB48に提供した『道頓堀よ、泣かせてくれ!』が映画『DOCUMENTAY of NMB48』の主題歌に。渡辺麻友に提供した『正しい魔法の使い方』は映画、魔法つかいプリキュアの主題歌に。

2017年は郷ひろみの最新シングルのサウンドプロデュースから始まり、
9月には乃木坂46主演映画「あさひなぐ」が公開。主題歌「いつかできるから今日できる」作編曲。
同曲は2018年現在、ミリオン超えを果たす。

その後、多方面のアーティストやNTT Docomo、JA全中等の企業系楽曲も手掛ける。

(※株式会社HOVERBOARDのHPプロフィールより)

株式会社HOVERBOARDについてはこちら

アーティストから作曲家へ転向のきっかけ

ーーAkiraさんは元々アーティスト活動をされていましたよね?
  アーティストから職業作曲家へ転向したきっかけってなんだったんでしょうか?

アキラ:単純に契約切れたんですよ。笑

一時期、スマッシュヒットする楽曲もあったんだけどね。

売り上げ面で、徐々にメジャーアーティストとしてやっていくには厳しい数字になっていって、

そのまま「契約終わりますよ」っていうムードが来てしまいました。

アーティスト時代から楽曲提供をしていた

アキラ:当時、所属していた『Sony Music』ってめちゃくちゃ温かい雰囲気で。笑

契約切れそうなムードになる前から、作曲の仕事をいただく機会があって。

ソニー周りのアーティストさんへ楽曲提供していました。

乃木坂46との出会い

アキラ:楽曲提供などやっている中で、「乃木坂46ってグループ立ち上げるからコンペに曲出してみれば?」とお話いただけて。

乃木坂46の立ち上げをやっている時期からコンペに参加してました。

それで乃木坂46の2ndSingle、3rdSingleと続けて曲が採用されて。

この頃にアーティスト契約が切れたので、そのままの流れで作曲家として活動するようになりました。

乃木坂46の魅力

ーーいまや乃木坂46のCDのほとんどにアキラさんの作曲された曲が入ってますよね。笑

アキラ:毎度のように作曲を担当させて頂いた時期もありますね!

でも、2nd・3rd以降しばらくコンペに通らなくて、拗ねて曲出さなかった時期もあるんですよ。笑

約1年くらい経て、7th Singleからまた曲が通るようになって。

狙いを絞って書いた8th Singleの『気づいたら片想い』が通ったのをきっかけに火がついたように思っています。


(乃木坂46 『気づいたら片想い』Short Ver.)

アイドルというよりもアーティスト

アキラ:乃木坂46の曲をたくさん書いているんですけど、実は元々アイドルにそこまで興味があったわけではないんです。

乃木坂46は、かわいさ前面にぐいぐいくる感じがなくて。

アイドルというよりもアーティストっぽい路線なんですよ!

ーーたしかに。AKB系列グループの中でも、乃木坂46は路線変わった印象ありますね!

アキラ:そうなんですよ。

特に杉山勝彦さんが作曲を担当している『制服のマネキン』は印象的で。

2nd・3rdSingleで通ったときに薄々は感じていたんですけど、「アイドルっぽい曲を書かなくてもいい」と確信しました。

アーティスト・ジャンル感のある曲が通りやすい?

アキラ:正直、コンペシート(楽曲の発注内容)に沿って書くことはほとんどないです。笑

コンペシート通りの曲は、当然たくさん集まるんですよ。

わざわざ競争率の高いところで戦う必要はないと思っています。

タイアップで決まっていた『今、話したい誰かがいる』の時など、コンペシートに沿って書いたこともありますが、

「今回は歌謡曲」「今回はヒップホップ」というように狙いを絞ったり、

EDMとストリングスを混ぜるなど、ジャンルの融合を意識して書くことがほとんどです。

コライトで広がる可能性

ーーアキラさんはコライトを頻繁にしていると小耳に挟んだのですが、
始めたきっかけって何ですか?

アキラ:コライトは、早い時期から始めてました。

乃木坂46の曲、月に10曲前後書いてたんですけど、自分一人だけでつくることに飽きちゃったんですよ。

世の中もそうだけど、カノン進行と4536で溢れてるじゃないですか!笑

だから、トラックメイカーの方に注文してオケをつくってもらうようにして。

そこにメロディーをのせていくっていうコライトをやってみたら、パズルみたいにおもしろかったんですよね。

いまは、ほとんどこのスタイルでやっています。

ーーコライトだと毎回新鮮な気持ちで制作できますよね!

アキラ:そう!

あと、トラックができちゃってるから「やらなきゃいけない」っていう感覚になります。

締め切りまでに出さなきゃ申し訳ないですし。

ーー若手の作曲家さんともコライトしてますよね!

アキラ:才能ある子を見つけてきて、コライトして出していくっていうコライト手法が良いと思って。

『HOVERBOARD』では、そのやり方がおもしろくて化学反応起きまくってます。

けっこう良い感じで、続々ビッグタイトル決まってますね。笑

才能あるんだけど知名度が足りないっていう方が、「○○やりました!」っていう実績の蓄積にもなります。

特にアレンジャーは、世に音が出る・完パケを出すことでスキルアップしますよ。

だから、コライトした人たちは急激に伸びていきます。笑

ーーたしかに!1回、CDクオリティーの作品を世に出すことって大事ですよね。

アキラ:それでも人間飽きやすいから。笑

いまでこそコライトは主流になってるけど、そろそろ新しいスタイルを考えて動いていく必要があるなと思っています。

常に新鮮な気持ちで制作したいし、制作して欲しいので。

株式会社『HOVERBOARD』代表取締役としての活動

ーーコライトの次のスタイル、会社としてはどう動いているんでしょうか?

アキラ:会社・作家事務所としてはまだまだ若いので、いまはとにかく出し口を増やしています。

いまは営業ばかりしている感じですね。

最近はラブライブAqursの楽曲を担当させて頂いたり、色々窓口も広がってきているので、徐々に公表できる情報増えていくと思います。

(2018 8/1発売のAqours 4th LIVEテーマソング「Thank you, FRIENDS!!」試聴動画。Akira Sunsetさんが作曲担当された『No.10』が収録)

メロディーを生かす歌詞制作術

ーーアキラさん自身は、アイドルやアニメの曲を書くことが今後増えていくんでしょうか?

アキラ:昔はアーティストさんの曲をやりたい気持ちがあったんですけど、今はアイドル曲が楽しいんですよ。

『良いこと』よりも『うまいこと』を書く

ーーなんでもありな感じが良いですよね

アキラ:歌詞担当の人が決まっていないときに、歌詞テーマをこっちで決めて書くのがおもしろかったりもします。

アーティストさんの場合だと、『良いこと』を書くイメージで言葉の制限があったりして。

僕自身は『良いこと』よりも『うまいこと』を言いたいんですよ!笑

ーー良いことって出尽くされ気味ですからね。笑

アキラ:単純に『ひとりじゃない』って歌詞を書くよりも、JTのCMで歌われていた『ひといきつきながら』のような歌詞が好きです。

ひといきつきながら
ひとはひとを想う
ひといきつきながら
ひとはつながる

ひとりだけどひとりじゃない
こころの中はひとりじゃない

山元彩「ひといきつきながら」より一部抜粋

『ひとりだけど、ひとりじゃない』のように上手く書けたらいいなと考えてます。

あからさまに『ひとりじゃない』という言葉だけを入れてこられると、

いや。一人だし!笑

って思っちゃうんですよ。

ーー言葉に2重の意味をもたせたいというイメージですか?

アキラ:そうですね!

自分が昔書いた歌詞で例えると、『ひとりじゃないと、君が教えてくれたから』とか。

当時、あえてこう書くことで、書いた本人が言ってないような工夫を混ぜて。

2重の意味を持たせたり、歌い手を選ばずに伝えられる歌詞を書くのを意識していますね。

もちろん、すごい人気な方が歌うとすればストレートに『ひとりじゃない』で心に響くと思います。

作詞する人の大多数は有名な方の一部の歌詞をつまみがちで。

知名度の低い方の曲によくあって、とりあえず『ひとりじゃない』って入ってるだけだったり。

作家として、『有名な方が使ってる言葉をそのままなんとなく』はやりたくないですよね。

ーー直感的におもしろいと思わせる歌詞を書きたい気持ちが強いのですね!

アキラ:そうです。

だから結論として『良いこと』より『うまいこと』を書きたいというところに落ち着きます

歌詞のダブルミーニング

アキラ:『うまいこと』書くということで、こういう話の時に引き合いに出す曲があって。

Safariiの『合い鍵』という曲なんですけど。
(TBS系ドラマ『シマシマ』主題歌『BAD DAY』のアルバムに収録)

曲の最後のフレーズで『思い出に鍵をかけて一緒に捨てるよ』という歌詞があるんです。

ダブルミーニングを意識して書くことで『うまいこと』が書けるんじゃないかなと思います。

気になる言葉を掘っていって、合う言葉を掛け合わせるとやりやすいですね!

歌詞制作のパターン

ーー歌詞の言葉を選ぶ際に、メロディーを生かす歌詞制作術というのが明確にあると思うんですけど。
そこら辺も気にして歌詞を書かれているんでしょうか?

アキラ:もちろん!

作り方としては、いくつかパターンがあるのがおもしろくて。

よくあるのが、主メロと一緒に歌詞も出てくるパターンと後載せのパターン。

後載せパターンは、コライトでトラックにメロディー載せる感覚に似てて。

やっぱりパズルのようで、『うまいこと』を組み立てて当てはめるやり方です。

主メロと一緒にのパターンは、だいたい思いつきとか降りてくるような。

主メロと一緒に、バッチリハマる歌詞がついてきます。笑

どんなパターンで書くときでも、必ずハマりの良さを考えて書いてます。

歌詞のオリジナリティーと定番の言葉

アキラ:あと、オリジナリティーを意識して書くんだけど『定番の言葉』というのは必ず入れてますね。

独特になりすぎても良くないので。

そこら辺のバランス大事です。

ーーイメージとして具体と抽象のバランスですか?

アキラ:そうだね!

具体と抽象のバランスと言っても、『いろんな人がいろいろな意味に捉えられる歌詞』は書かないです。

自分自身が、ストレートに意味がわかる歌詞が好きというだけの理由なんですけどね。笑

英語の歌詞は強い?

ーーここまでで歌詞の言葉選び中心にお話を伺ったのですが。
英語歌詞については、どう思いますか?

アキラ:英語はほとんど使わないですね。

アーティストのカラーによって、英語が合いそうだったら無理やり英語歌詞を入れたりするけど。

日本人の日本の楽曲なら、基本的には日本語で良いと思っています。笑

歌詞として英語が強みになるには、相当洗練されてないと難しいと思いますよ!

ーーなるほど!やはり英語歌詞を書くなら、ネイティブのフィーリングなど必要なんですね!

アキラ:うん。

やっぱり洋楽とかは、言い回しだったり意味だったりで『うまいこと』書かれているんですよ。

だから売れているわけで、知っている単語放り込めば良く聞こえるというわけじゃないんです。

例えば、Ne-Yoの『So Sick』。

音と歌詞のハマりがめちゃくちゃ良くて。笑

『ラブソングにはうんざり』って歌詞でずっと言ってて『でも、どうしてラジオを止められないんだろう』っていう葛藤が、あのメロディーにかっちりハマっているなと思います。

こういうのはネイティブだからこそ出る表現だろうし。

日本人だったら、無理して英語歌詞で戦うよりも日本語歌詞で書いたほうが良いものが出来上がると思いますね。

メロディーづくりのコツ。名曲に隠されたセオリー

ーー1曲書くのは、どのくらいの時間かかるんですか?

アキラ:まったくかからないです。

なぜならコライトでトラックが全部出来上がっているから。笑

とは言ったものの、仮歌詞を書いたり歌詞書いたりもしていてるので。

意外と時間かかることもあります。

ーーなるほど。メロディー書くときは、けっこうフィーリングなんですか?

アキラ:うん。

やっぱりサビからつくって、サビ頭2小節決まったら出来たようなものだから。

ーー僕とは真逆ですね!
僕はガチガチに音楽理論固めてて、メロディーも独自の理論を生み出して曲書いてます。

アキラ:そうなの!?

音楽理論とかも含めて今度教えて欲しい。笑

ーーもちろんです!!レッスン来てください。笑

良いメロディーの判断ポイント

ーーちなみになんですけど。
つくられたメロディーに対して、良し悪しの判断するときに意識していることってありますか?

アキラ:ざっくり出来上がったものに対してだったら、

リフレインさせるところや、あてるコードとかは意識してますね。

あと、MIDIで見た時にA,B,サビでしっかり上昇しているかとか。

無駄に転調を使うのは避けたほうが良いとか。

JpopではA,B,サビで盛り上がっていくのが確実に良い曲なので、音程の上昇がうまくいかなければサビで転調もありだと思うけど、

シングル狙うのなら無理に難しいことする必要はないと思います。

メロディーの最高音の重要性

ーーメロディーの最高音などについてはどう考えていますか?

アキラ:アイドル曲だと、トップは『B』くらいまで。

たまに裏声使って『C#』くらいの音を入れる感じにしてますね。

範囲は1オクターブを目安にして意識してつくることが多いです。

ーーでも、最近の曲って音域の広い曲増えてますよね?

アキラ:そうなんだよね。笑

いままでのセオリーでつくられる楽曲って成熟しちゃってて、音域が広くても良い曲だったら良しとされるのだと思います。

例えば・・・欅坂46の『サイレントマジョリティー』や『二人セゾン』。

転調だったりメロディーの跳躍の多さだったり、奇抜だけどめちゃくちゃ良い曲なんですよ。

サビ頭や声張るところの最高音は『B』や『C』あたりにしておいて、

ファルセットを使って高い音域をうまく使うのというのもよく使われていると思います。

ミスチル以降・RAD以降でメロディーの作り方が違う

アキラ:あと、メロディーの話でよく話すことがあって。

Mr.Children(ミスチル)以降、RADWINPS(RAD)以降の作曲家で、染みついているメロディーが全然違うんですよ。

Mr.Children(ミスチル)以降の世代は完全にミスチルの曲が頭に入っていて、16分音符とかで言葉詰めることにまったく抵抗がなくて自然に思いつくんです。

ミスチル以前の作曲家さんの場合は、16分音符でメロディー刻むのに抵抗ある方もいて。

狙ってつくろうとしたらできるかもしれないけど、自然には出てこないんです。

こんどは、今30代くらいのRADを聴いていた世代の方たち。

この方達は、もっと違う雰囲気・つくりかたをしていますね。

ーー表現の仕方だったりでしょうか?

アキラ:そう!

「感覚が全然違うんだな」って、曲を聴いていて感じます。

特にサビの作り方が全然違うんだけど、僕はその感覚の差が何なのかはまったくわかりません。

だけど、聴いて『RAD以降だ!』とはなるんです。

それで、いまはRAD以降の人たちがブレイクして売れていて。

米津玄師さんとか、また新しいものが生まれているんですよ。

やっぱり世代ごとに革命的な人がいて、それをいつ聴いていたかによって感覚が身についていくんだと思います。

もちろん、僕もRADや米津さんを聴きますが感覚として入ってはこないんです。

昔の作曲家さんと一緒で、僕自身も狙ってそれっぽいことはできるけど、

自然にRAD以降のようなメロディーは出てこない。

ーーある意味、10代20代の若い時に影響を受けたアーティストによって感覚が身につくって感じですね。

アキラ:そうですね。

ちなみに僕の場合、そういう原点みたいなアーティストさんは『織田哲郎』さんで、小室哲哉さん世代よりも前です。笑

トップライナーとして活躍する人がつくる曲の特徴

ーーアキラさん自身も、HOVERBOARD所属の方も、今どんどん曲決まっていると思うのですが、
トップライナーとして活躍している方の共通点、活躍のコツって何かあるんでしょうか?

アキラ:共通点はありますね。

だいたいみんな歌声が良い! 羨ましい!笑

正直、その曲が本当に良い曲なのかどうかなんてわからないんですよ。

そりゃ歌モノ曲だから、歌の良さとか声の良さのある曲が選ばれちゃうよね!笑

仮歌で曲の良し悪しが決まる

ーー仮歌の重要性ってところですね。

アキラ:本当そのとおり!

仮歌が一番大事!

音源やプラグインとか買わなくていいから、『まずは仮歌が上手な人と知り合おうよ』って思います。

もちろん最終的にはアレンジすごく大事ですだけど。

その前の段階だったらバッキングで良いと思っていて、歌がいないときにリード楽器入れるくらいで十分です。

あとはジャンル感が伝わるくらいの編集しておけば平気。

トップライナー目指すなら、一先ず音源は何でも良い

ーージャンル感意識したバックトラックと、あとはメロディーと仮歌に力を入れるという感じですね!

アキラ:そう考えれば、コンペに参加するハードルかなり低いと思いませんか?

「これプラグイン・音源、何使ってるんですか?」とか聞いてくる人いるけど・・・。

「なんでもいいから流行っている、気になったの買っとけばいいよ」って言っちゃいますね。笑

ーーシンプルな弾き語りアレンジにしても聴けるメロディーを如何にしてつくるかというところですよね。

アキラさん:そうですね。

100曲つくって約半分くらい良いメロディーが書ければ、トップライナーとしてやっていけると思います。

あとは一緒に制作をする、組むアレンジャーさんの技術次第です。

機材は売らずに知り合いにあげる

良いアレンジャーと組むきっかけ

ーートップライナーとして活躍するのに、良いアレンジャーさんと組むことが大切だと思うのですが。
どのようにして出会ったりつながりをつくっていったのでしょうか?

アキラ:僕がいま組んでいる方たちは、何かしらがきっかけで元々知り合いだったりする方が多いです。

知り合いから、組むきっかけになったとすれば、僕の『機材を人にあげる癖』ですかね。笑

昔はお金がなくて、使わなくなった機材は売っていたんですけど、「それって何も産まないな」って思ったことがあって。

それ以来、いらなくなった機材はFaceBookとかで「この機材欲しい人いませんか?」ってつぶやいて、知り合いにあげてます。

例えば、いま組んでいる『APAZZI』にはピアノあげたりしました。笑

機材渡すときにカフェでお茶してて、

「ピアノ得意だし、乃木坂46の案件一緒にやってみない?」とかそういう話の流れになって、

APAZZIと組むことになったんですよ。

こういうこともあるので、機材は売らずに色々な人に機材あげまくりですね。笑

新しい物好きなので、いろいろ新しいの買っちゃって使わないの増えていくんですよ。

最近は、会社・事務所立ち上げて後輩ができたから後輩で欲しい人にあげちゃってます。

ーーということは・・・。
もしHOVERBOADに入れば、そういった特典があるみたいな!笑

アキラ:それはわからない。笑

ーーそういえばさっき誰かに渡していたマイクも?

アキラ:そうですね。

仮歌やってもらったりしてる子で、めちゃくちゃ良い仮歌を歌う子なんです。

この前「何か良いマイク欲しい」みたいなこと言ってたから。

「じゃあ、新しいの買うし使ってないのあげるよ!」って言って。笑

ーー太っ腹ですね

アキラ:まあ、良いマイク使えたら間違いなく歌のクオリティー上がるじゃないですか!

やっぱ、中古で機材売っても、お金にしかならないし。

人にあげるのがいいなーと。

1番良い音なんてわからない

ーーアキラさん、たくさんの機材を買ってると思うのですが。
購入の判断ってどうしてるんですか?

アキラ:機材って良いものを使えば、悪い音はわかるけど。

良い音って言われるような中から、どれが1番良い音なのかはわからないんですよ。

だから、機材を買う基準としては、そのときに1番話題になっているものや見た目で買ってます。笑

事務所が求める作曲家とコンペに通りやすい曲

ーーここらでドカンと大きなテーマをぶつけようと思うのですが。
コンペで通りやすい楽曲、事務所が求める作曲家についてはどう思っていますか?

アキラ:先ほど話した、ジャンルの融合は1つあるかなと思いますが。

最近は、これも出尽くしている感があって、好きなジャンルがあればそこに特化するのが良いと思います。

好きなジャンルがないなら、人がやっていないことを探してやるとか。

ーー採用側目線で、作曲家事務所としてどんな人が求められているんでしょうか?

アキラ:アレンジャーなら完全に技術勝負。

トップライナーだったら、歌が上手いか・歌が上手い仮歌さんに歌ってもらえているか。

あとは、メロディーが良いとかもあるんですけど、明確に言葉にするのが難しいですね。

たまにいるんですけど、明らかにスケールから外れている音を平気で入れてくる人とかは不採用にしています。

ーーなるほど。ある程度の基礎が整いつつ、ボーカル力など何か飛び抜けた能力を感じたら採用するという感じですね。

アキラ:最終的に僕が決めることではないので、やる気があってそつなくこなせる方を採用することもあります。

作家事務所に入るだけが正解ではない

ーーコンペで需要ある曲を、しっかり書ける能力とかも大事ですよね?

アキラ:定番のジャンルはつくれた方がいいですね。

それとトラックメイカー・クリエイターとして突出した個性を持っていると思うなら、世に発信していくという道もあります。

いまは、Youtubeとかいろいろなコンテンツがありますから。

薄いジャンルを狙う

ーーある意味、作家事務所は登竜門の内の1つで、それ以外にも道があるというような考えですね。

アキラ:そうですね。

まず作家事務所を目指すとしたら、

やっぱり、歌なりギターなり打ち込みなり、何かに突出している人は強い。

やっている人が少ない薄いところを狙うというのも大事です。

運動神経が良いからって人気の陸上競技をやっても、ほとんどの人はオリンピック出れないですよね。

もしオリンピックに出ることが夢だったら、人口少ない競技を始める方が可能性は高いみたいな。

人それぞれ自分に合う勝ち方があって、自分が上にいけるところを探して狙うんですよ。

まとめ

ーー最後に今後について、将来目指すところのお話をお願いします。

アキラ:今後については、どんどん仕事をつくりたいです。

コンペは椅子取りゲームなので・・・。

その椅子をどんどんつくる方に力をいれていきたいです。

作家事務所をやって、若い人たちが仕事を取れてきているというのがうれしいんですよ。

あと、チームで仕事を取ってこれるのが強くて。

チーム内で誰かが取れれば喜べて、情報の共有も惜しみなくできるんですよね。

だから、HOVERBOARDはチームとしてもっと大きな場所になる気がしているし。

チーム全員が音楽で食えるところを目指して頑張っています。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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Pops作家デビューカリキュラム始動!

「AKB作家が教える。一年間で有名作曲家事務所を目指すスパルタ予備校」

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AKB48や欅坂46、乃木坂46を手がける片桐周太郎の完全ワンツーマンレッスン。

一年間で、有名作家事務所の所属を目指す事に特化したカリキュラムです。

 



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